前回、「複利の力」を具体的な数字を出して簡単に書いてみたが、その時ドラえもんをタイトルにしてたのに、ついつい忘れてしまった。
そこで今回は少し趣向を変えて、ドラえもんの秘密道具が「複利の力」を得ると、一体どれほどのスピードで地球を消滅させるのか?
そんな極端な話を大真面目に考えてみたいと思います(´・ω・`)
複利の力とは・・
もし最初にこのページを見た人は「複利って何だよ?」っとなるので暇だったら前回の記事も参考に・・
簡単に言うと、「複利」とは一般的に金融で使われる用語で…
元本(自己資金)についた利子(利益)も全て翌年に再投資する事で利子にもまた利子がつき「雪だるま」のようにお金が膨らんでいく。
一方、利子が毎年元本にしかつかない事を「単利」と呼んでいる。
つまり「複利」とは「単利」と違い、時間をかければかける程お金は膨らみ、ある段階を過ぎると資産が倍々になっていくという人類史の中でも極めて高度な発明(システム)なのである。
そこで今回は、ドラえもんの秘密道具「バイバイン」より複利の力を存分に味わい、地球滅亡までの時間を考察したいと思います(`・ω・´)
恐怖のバイバイン
事の始まりは、お馴染みのび太のわがままよりクランクイン。
1つしかない栗まんじゅうを食べたい、でも食べればなくなる。 そんな当たり前の事を当たり前と感じなくなっている末期症状ののび太は、いつもの様にドラえもんにすがります。
そこで取り出したる道具が・・
※口頭であれば、ドラちゃんのモノマネ(大山のぶ代バージョンだけど)でお伝えする事ができたのですが、お聞かせできないのが残念・・
この液体をかけると5分で倍に分裂するそうです。(利回り的に言えば5分で200%の増加>)
どんなに酷い闇金融でもトイチ(10日で10%程度)だから、バイバインがいかに凄まじい「複利的増加」をするのか分かると思います。
もしこれが「単利」の増加であれば、5分で2つ、10分で3つ、15分で4つという増加率だが、バイバインはここから複利的増加を始める。
バイバイン 恐怖の始まり
その後はお決まりの展開で、欲深なのび太はしばらく放置した栗まんじゅうを食べきれず、友達も食べきれず、あろう事かドラえもんの忠告を無視してゴミ箱に捨ててしまう。
さぁ恐怖の始まりです・・
5分ごとに分裂を続けていく栗まんじゅうは、既にゴミ箱もいっぱいにします。
フタをして隠し通せると思っているのび太に、複利的分裂の怖さをドラえもんから聞かされたのび太は、たまらず真実を話します。
まさにこの場面が歴史に残る、ドラえもん史上最大のパニックの瞬間です。
嗚呼、可愛いかな愛しきドラえもん💕
「複利」の効果を知ってるドラえもんは、このままだと大変な事になると風呂敷に包んでロケットで宇宙に飛ばしてしまいましたとさ…
めでたしめでたし・・・
がしかし… 画像を見る限りドラえもんが使用したロケットは液体燃料のロケットに見える。であれば、成層圏を抜けるまで最低5分はかかる事になり、もう一回栗まんじゅうの分裂があるハズだ。
風呂敷のパンパン具合を見ると、とてももう一回の分裂には耐えられないハズなのだが・・
何はともあれ、ここでストーリー的にはクランクアップしてしまう。
地球滅亡までのタイムリミット
「複利的増殖」を続けていく栗まんじゅう。
ドラえもんの機転でロケットで宇宙に投棄したが、もしそのまま、栗まんじゅうが地球に残されていたらどうなっていくのか考えてみたい。
まず1~2時間程度であれば、まだ取り返しのつく数で収まる。2時間15分で1億を超す程度なので、日本全国民みんなで1個ずつ食べれば無事解決。
しかしこの辺りが地球上で対処できる限界点となるだろう。
緊急事態宣言が必要だ。
3時間後、687億1947万6736個まで分裂してしまう。2018年現在の地球の総人口が75億人なので、みんなで9個ずつ食べれば何とかなる。
赤ちゃん、老人にも9個を完食とは酷な話だ…
そして、その5分後には1400億個に増殖。
色々な意味で、もう諦めた方がいいかもしれない・・
ナムサン・・
8時間を経過する頃には、1予9342垓8131京13834兆0667億9529万8816個と、もはや何が何だか分からない漢字まで出現(ちなみに予とは、兆の1兆倍)
そして8時間15分後には地球の総重量6予kgに到達。
恐らく人類は、一人のわがままの為に「栗まんじゅうの海」で窒息する事になるであろう(地球滅亡)
指数関数の発散スピード
もはや増え続ける栗まんじゅうを、個数で数えても意味のない事なのだろう…
早々に無量大数(漢字圏においての最大単位の数。1068とも言われている)に到達してしまう。
無量大数自体が、もはや数のない無限のような存在だから、その時が宇宙が(地球)が栗まんじゅうに押しつぶされる時と思っていい。
ではここからはたった1個の栗まんじゅうが「複利的増殖(5分で200%)」によって、どれほどの時間で宇宙を押しつぶすのか考えてみたいと思う。
ここからは高校時代の数学でお馴染みの「指数関数の発散スピード」の公式によって、その時間を割り出してみたいと思います。
設定1 栗まんじゅうのモデル化
まず前提条件として、栗まんじゅうの大きさ(体積)を100cm3とする。
5分ごとに分裂を繰り返すので・・
5分後 2×10-4m3
1時間後 212×10-4m3
n時間後 212n×10-4m3
この様にすればn時間後の栗まんじゅうの大きさを計算する事ができる。
設定2 宇宙の大きさをモデル化
現在、ビックバン(この宇宙の始まり)から、ざっくりと135億年程度の時間が経過してると言われていて、大きさは諸説ありますが現在有力なのが直径で930億光年の球体と考えられているそうです。
よって今回は930億光年に対する直径の球体の体積を、宇宙の大きさと定義します。
モデル化するとこんな感じでしょうか。
宇宙消滅までのタイムリミット
では、ここからが本題です。
栗まんじゅうのn時間後の体積が宇宙の体積とイコールになるのはいつなのか?
この計算は桁数が尋常ではない数を扱うので、対数を使うとnを求めやすくなる。
23時間40分後、栗まんじゅうと宇宙の体積が等しくなりました。
23時間を過ぎた辺りから、もはや光の速度を超える膨張率を見せていましたが、栗まんじゅうが宇宙を完全に埋め尽くすまで1日とかからないのです。
思いのほか早すぎて信じられないと思うが、これが指数関数の・・、いや「複利の力」のスゴい所です。
※もちろん、質量保存の法則、光速度不変の原理など全ての物理法則を無視した仮定の話しです
普通ならこの辺りで締めるところ、今回は時間があるので更にもう一歩踏み込んだ所まで考えてみたいと思います。
バイバインの「パラドックス問題」
パラドックスとは、原因と結果に矛盾が生じる事象の事を指すが、今回のバイバインでもタイムパラドックスが起きていた。
ドラえもんは最後、栗まんじゅうをロケットで宇宙に飛ばして一件落着した様に思われたがが、宇宙を漂う栗まんじゅうは1日を待たずして宇宙そのものを押しつぶし、永遠という時間だけが流れる事になる。
当然、ドラえもんは17巻で終わり、ドラえもんが生まれたとされる地球時間の22世紀という未来は2度とやってこない。
するとドラえもん自体が開発されず、「バイバイン」も開発されない。するとドラえもんが過去の、のび太に会う事もない。
っと言う事は、存在しないハズの「バイバイン」によって宇宙が栗まんじゅうに押し潰されてしまうのか??
ドラえもんが開発されなければ宇宙は押しつぶされない。
しかし、押しつぶされなければドラえもんが開発され、宇宙を押しつぶしに過去にやってくる…
死神かよ・・・
しかしそう悲観する事なかれ「ドラえもん18巻」が発売されたという事は、何らかの解決策があったという事。
いや、そもそも宇宙の真空状態で水分を含んだ栗まんじゅうは形を保っていられるのか?
いやいや、膨張を続ける栗まんじゅうは、自身の強力な重力によりブラックホール化するんじゃないのか?
っと疑問は尽きる事なく、夜は更けていく…
栗まんじゅうの恐怖はまだ続く…
無事解決したと思われた「栗まんじゅう問題」。しかし、気になる映像が・・・
こちら映画「のび太の新魔界大冒険」より宇宙空間を映した1つの1シーン。
窓の外には、なにやら宇宙空間を漂う物体が・・・・
そして、もう1つ気になる映像が。
映画「のび太の宇宙英雄記」の1シーン。
こちらにも宇宙空間を漂う見慣れた物が・・・
いつの日か、あなたが「ふっ」と空を見上げると、栗まんじゅうで覆われている日がやってくるかもしれません・・・
信じるか信じないかは・・・