日本人がワイキキに来れば誰しも……
かどうかはよく分からないが、私は滞在中一度は「お約束」で丸亀製麺を訪れています。
システムや味的にはほとんど変わらないものの、がっつりタトゥーのお兄さんが製麺してたり、従業員が店内のドリンクを普通に飲み歩いていたりとその「やりたい放題」ぶりは、いい意味で日本との文化の違いを鮮明に感じる事ができて非常にグッとだと思います。
あっ、今回メニューが随分とローカライズされていたなぁっと感じました。
まぁ、それはさておき普通に家族分注文して日本のシステムと同じようにレジで精算する所から話が始まります。
レジ前にて・・
当然プライバシーを晒すような事はしたくないので、ボカシてるんですがね… 物凄いオーバーアクションぎみに「愛想」が良かったんですよ… レジスター係の彼は。
私が支払いを済ますまでは・・
どういう事かと申しますと、私の前に並んでいた老夫婦が決済を済ませると、彼は両腕を高く持ち上げ… そこから一気に腕を振り下ろしペンギンスタイルになり〜の… 最上級のお辞儀をして「thank you very very much!!」ですよ。
こっちが恥ずいわ
で、私の番がきてクレジット決済を済ませると「チャッ」とレシートを切って無言で手渡しして終了。
いや…… 別にあのパフォーマンスが欲しいわけじゃ全くないんですがね、気になって後の客を数組見ていたら時折り始まる例のペンギンダンス。
露骨な対応
この端末は別のタイミングの時で、丸亀の決済端末はもっと小さく見にくい画面で確か【10% 20% 30%】のチップ要求が表示されていたかな。
一瞬「強制かよ」というぐらい逃げ場のない画面だったものの、奇跡的に見つけた左下に小さく表示されていた「skip」ボタンを私は迷わず押しましたよ。
つまり、その結果を確認してから例のペンギンダンスが始まるという訳なんですね(%によってダンスの質が変わるのかは未確認)
今回家族で50ドルくらいだったから日本円で現在のレートで約7500円。それ自体は何の問題もないが、何でチップが30%と仮定して1800円近く要求されるのかが意味不明。だってどんなサービスをしてくれたの?
昔からワイキキの丸亀もしかり、ローカルチェーンのファーストフードでもチップBOXが置いてあるのは知っているが、基本的には商品を受け取る事自体に「サービス」と感じない私は、基本的にチップを入れる事はない(小銭はあるが…)
最低限のマナーはある
今回の旅行でも、観光地だから大体はウェイターのいる店で食事をすれば、普通に20%は置いていきますよ(ケチな私でも)
まぁ、日本より良質なサービスかどうかはともかく「郷に入っては郷に従え」精神ですよ。
ロケーションのいい場所に案内してくれた時や、飲み屋のような場所であれば30%ぐらいはマナーとしてるんですが、ファーストフードで何でチップを要求されるのかが何度考えてもよく分からない。
従業員もインフレがキツくて様々な事情も分からなくはないが、少なくとも丸亀製麺(トリドール)は日本洋式を継承していくなら、ああいった露骨な対応はいかがなものかと考えざるを得ない。
チップの制御不能状態
Kuhio Ave.の裏手ね
で、そんな事があった夜に(昨日なんだけど)、家族が買い物に行くっていうから、私は1人で地元の飲み屋に行ったんですけどね、その時の話しが「盛りナシ」でタイムリーすぎて面白かった。
本当はカウンターでチャチャっと3杯くらい飲んで帰るつもりが、相変わらず陽気な人種のアメリカ人が話しかけてくるんですよ。
見た目は白人で金髪の30代、ガタイが良く片腕にびっしりとタトゥーが入っているものの、私が日本からの旅行者だと告げると、日本のアニメやら知ってる言葉なんかを披露するダル絡みに少し辟易していた私に、彼は丸亀製麺のファンだとも告げ、2ブロック先の丸亀にもよく行くという(I Love It を繰り返していただけに相当好きらしい)
そこで私は昼間の出来事を苦笑いで話すと、彼はそのレジスターの名前まで知っていて2人で大爆笑… そして現在のアメリカのチップ事情を話してくれた(以下要約)
どうやら現在アメリカでは、ファーストフード店でもチップ制度が浸透しているらしく、そのきっかけはコロナ禍後ウェイター達の生活が困窮してしまったのと、インフレが関係しているという。
それまではチップボックスがあっても「小銭があれば入れる」程度だったものが、決済端末にチップ要求画面を入れ込むことで対面では断りずらく、彼も「チップなし」を選択する勇気がないという(えっ、そのナリでか!?)
最近ではフードコートでもその制度が当たり前になりつつあり、驚いたのがコンビニでもチップを要求される事もあるという。
現在アメリカは、FRBがインフレ叩きをしているが時すでに遅し。同時にチップも制御不能になりつつあり「Tipflation(チップフレーション)」という造語までできたという。
そして、みんなこの状況をオカシイと感じているらしく「Tip Fatigue(チップ疲れ)」が本土でも話題になる事があるらしい。
確かにそれはそうだろう… あんなペンギンダンスを見るためだけにチップを2000円近く出すほど私はヒマではない。 ……じゃなくてお人好しではない。
面白い話しを聞かせてくれたお礼に、彼の支払いは私が払ってあげた。サービスとはそういう事だ。
もし、これからワイキキの丸亀に訪れて最上級のペンギンダンスをご覧になりたい方は、是非とも迷わず「Max Tip」を選択してみてはどうだろうか。
メリークリスマス