過去の自分に問いたい事がある
「なぜコロッケなんか注文したんだい?」
だってそうだろ?
コロッケなんか所詮、じゃがいも・玉ねぎ・野菜がメインの揚げ物で、肉なんて小指の爪ほどしか入っていないじゃないか。
それじゃあダメだよ…
僕は肉が好きなんだ・・
でも君は注文した・・
君は僕であり、僕は君でもある。
将来、僕の味の好みが変わり、今まで食べなかった料理を好きになる可能性は充分あり得るだろう。
しかし過去から現在において、僕はコロッケの事を一度だって好きだと思った事はないんだ。
例えばそう…… 定食屋に行ったとしよう
君は沢山ある定食の中で「コロッケ定食」なんか頼んだ事はあるかい? んっ? ないだろ?
そう・・・ あるはずがないんだ。
コロッケごときに心奪われた事なんて一度もない
メンチカツも好き・・
あっ、いや… 誤解しないで欲しいのが、別にレギュラーコロッケが嫌いな訳ではないんだ。
ただ好きではな… まぁ自分からは買わないってだけの話しさ。
僕はね… コロッケが好きなヤツなんて、コロ助ぐらいだと思っていたんだ。
でも実際に10年前、僕がコロッケを注文した履歴は残っていた。本当に君は脇役コロッケなんか注文したのかい?
当時の君が一体何を思い、何を意図し、何に期待していたのか・・
そこに何か隠された大切なメッセージ・・
神戸旭屋ビーフコロッケ極み
冗談だと思うかもしれないが冷静に聞いて欲しい事がある。
現在、旭屋のビーフコロッケ「極み」を注文すると約19年待ちだそうだ。嘘だと思うなら自分の目でリンク先を確かめて欲しい。なぜそんな事になっているのかという説明も丁寧に書いてある。
今が西暦2021年だから、今注文するとうまくいけば2040年にはあなたのお手元に・・・
別に神戸旭屋さんはボケてる訳でも、ツッコミを入れて欲しい訳でもなく、いたって大真面目だ。
「極みコロッケ」の価格
値段は現在5個の注文で2700円。送料と代引き手数料を含めると合計4000円弱。コロッケのくせに1個あたり約750円とは中々の破壊力だが注文が絶えないという・・
ちなみに10年前の僕は25個のコロッケを注文をしていた
注文時にメアドと電話番号を記入するので、どちらかが生きていれば何年経っても発送前に最終確認の連絡をしてくれるそうだ。
10年前の注文が本当に届くのかという心境は、例えコロッケ好きじゃなくてもさすがにドキドキする。
例えるならそう…
「バックトゥーザフューチャー2」のラストシーン。ドックが75年後のマーティへ宛てた手紙を本当に受け取ってくれるのかと祈る様な心境だろうか・・
【調理編】ビーフコロッケ極み
見た目はいたって普通のコロッケ。
ほらっ… スーパーの特売で1個50円のタイムセールで売ってそうな・・
そう…、ただのコロッケって訳さ。
〝神戸牛の「牛脂」を一緒に揚げて香りを楽しんで下さい〟
随分と粋な事するよね。
思わず… ほら、去年僕が書いた「上野 ポンタ本家のカツレツ」を思い出しちゃったよ。
でっ!
説明書通りに従って揚げてみたらご覧の通りさ。
おいおい! 左手に見えますのは、う○こじゃないから勘違いしないでくれよ。
皿の上にう○こが乗ってるハズないじゃないか!
僕はスカト○の癖(へき)はないんだ
まぁ… 少し形が崩れてたって腹に入りゃ一緒なんだし、最終的にう○こになるんなら、最初から皿に乗ってたって不自然じゃ・・
では、早速いただきましょう♪
「極みコロッケ」いただきます🙏
パクッ・・
あっ!
あ〜! これは今まで食べた事ないわ! イモが甘くてねっとり… 新感覚のコロッケかも。 玉ねぎも甘いし何コレ?!
んっ?
コロッケと言えば爪アカみたいなひき肉が定番だけど、肉そのものが出てきた。
あっ!
少し噛みごたえのある肉を想像したけど、やわらかくて口の中ですぐにほどけちゃうのに、噛めば噛むほど肉の旨みが溢れてくる感じ!
ほんのり甘く…… いや、この甘みって・・
下味で、すき焼きの割り下でも使ってるのかな?
フムフム…
普段、コロッケの味なんて実はどうでも良くて、ただソースの味だけでご飯モリモリ系だったけど、このコロッケは素材がおいしすぎるからソースなんて全く必要ない!
ソース使ってもおいしいよ・・
今までコロッケの事を脇役のように考えてたけど、この旭屋の「極みコロッケ」は間違いなく主役級。これは正直、ボケるところがない程にうまい!
お値段以上の価値はあるのか?
実は今回たまたま、友人の家族が遊びに来ていたからこんな実験をしてみた。
僕の家族は「10年待ち(現在は19年待ち)コロッケ」が、諸経費込みで一個あたり750円という事を知っているが、そういった物語を知らない先入観のない人が食べても本当に美味しいものなのか?
本当に一個750円に見合う感動はあるのか?
お値段以上なの?
いや… 実験などとたいそうな言葉を使ってしまったが、要は友人達に何も伝えないで黙ってその反応を見ていればいい。
だがしかし予想以上に苦戦する・・
そう… 分かってはいたがかなり苦戦した。
なぜなら誰も箸をつけようとしないのだ。
脇役コロッケなんかに目もくれず、隣りのローストビーフ、別卓の手巻き寿司、カニなどに人気が集まりコロッケには誰も手をつけてくれない。
ちなみに我が家でローストビーフと言えば、渋谷の「肉匠 もりやす」以外は考えられない。
もしかしたら本当に最後まで誰もコロッケに手をつけないんじゃないかと諦めかけたその時・・
「作ったの?!」「どこで売ってるの?」
さすがに美食家の友人の奥さんだけあって、すぐにそのおいしさに気付いた。それからはあっという間に皿がカラになり、みんな一様に「こんなおいしいコロッケは初めて食べた」と大満足していた。
さすが旭屋の「極みコロッケ」だ
ここで僕の奥さんからの事情説明と「極みコロッケ」の物語を話すと、誰もがそのおいしさに舌鼓を打っていた。
そこで改めて、気の知れた仲という事もあり「一個いくらすると思う?」、むしろ「一個いくらなら買う?」という質問をしてみた。
ドキドキ…
「350円かな(総合評価)」
知ってるわい… 最近はIKEAより頑張ってるよね
結論
やはりどんなにおいしいコロッケだと認める事ができても、これまで生きてきた経験と知識から、1個500円以上のコロッケの値段というのは想定外なのかもしれない・・・
でもおいしいのは間違いなかった
今なら過去の自分に「ありがとう」と素直に言えるかもしれない。
未来の自分へ贈り物をすると、少しだけ今の自分の事を好きになる事ができるかも知れない・・
ちなみに旭屋の「極みコロッケ」ではなく「プレミアムコロッケ」なら7ヶ月待ちで買えるようなので、お試しで食べてみるのもいいかもしれない。