今回は僕のミスでEPBシステム壊してしまい、イヴォークがレッカー移動されたという心温まるハートフルファンタジーのお話・・・
ではなく、悲しい備忘録です(ノω・、) ウゥ・・・
ブレーキパット交換の過信
こんな事を言うとプロの方に怒られるかもしれないが〝ブレーキパットの交換自体〟大して難しい作業ではない。
ツール(工具)さえそろって、要領よくやればフロント・リア、全て交換しても1時間もあれば終わる・・・
今まで4台(うちEPB装備車も1台)のブレーキパットを変えた事があり、少し緊張感をなくし過信していたのかもしれない。
大人になると物事を先読みして考えられる様になり、基本的に大きなミスは犯さなくなる。
しかし、あるいくつかのイレギュラーなモーションと自らの「過信・油断」が合わさった時、それは負の相乗効果となり具体的に一つの大きなトラブルになってしまう事がある。
またそれは、その瞬間にはなかなか分かりづらく、振り返り後になってからでしか理解できないという事が実に多い。今回もそんなトラブルの一つだった。
こんな文章、いつかも書いてたっけ・・
トラブルの前触れ
まず今回のトラブルの最大の要因は「SST」が借りパクされていた事に気づかなかった事だと思っている。
「SST」とはブレーキパットを交換する時に使う特殊工具で、キャリパーを外した時にピストンは油圧によりジワジワと押し出されていく。
パッドを新しく交換した後、押し出された状態のままではキャリパーを装着できないから、そのピストンを押し戻す特殊工具だ。
極端な話、「SST」がなくてもパット交換はできるが、あった方がスマートに作業が進む。
今回「SST」が、かつての知り合いに借りパク(忘れてるだけ?)されてる事に気づいたのは既にフロントをジャッキアップしてタイヤを外した後だった。この時に「引く」事をしていればこんな事態にはなっていなかっただろう。
確かこの時「貧乏の神」はこんな事を囁いていた・・
※貧乏の神とは、僕の心に住む究極的な「お金や時間」を節約する神さまの事である
男だろ!
やめときゃ良かったのに・・
フロントパットは問題なく終了
これは前の記事で書いた通り、フロントブレーキパットは何の問題もなく15分程で終了した。
SSTがなくてC型クランプでピストンバックしようと思ったけど、キャリパーに上手くハマらなくて適当に手持ちの工具を使いテコの原理で戻した。
イヴォークのEPB解除方法
イヴォークのフロントは何も考えずにパット交換ができるが、リアパットを交換する為には、まず「EPB」を解除しなければいけない。
EPBを解除し、車を「メンテナンスモード」にする事によってキャリパーが自由に動くようになる。
イヴォークのメンテナンスモード移行手順
ちなみに僕は、サービスモードに移行させる前に軽くホイールのボルトを一回転ぐらい緩めておく。
なぜならジャッキアップさせた状態でメンテナンスモードに移行すると、リアタイヤがフリー状態になりホイールのボルトを外すのは困難になる。
1. イグニッションをONにする
2. パーキングレバーを下に押し続ける
3. 2を継続しながらアクセス全開
4. イグニッションをOFFにする
5. イグニッションをONにする
大体2秒間隔で一連の動作を終えると、インフォ画面にメンテモードのお知らせと共に、リアからブレーキ解除の音がする。
EPB解除を確認したらイグニッションをOFFにしてOK。
EPBシステム逝く・・・
リアのキャリパーも工具さえ揃っていれば1分程で外す事ができる(13mmソケットと15mmの溝口スパナ)
キャリパーを外し、軽くダストを掃除してリアブレーキパッドを装着。最後にキャリパーを取り付けて余裕で終了・・・
のはずだった・・・
ひつまぶし〜♪
※この日は「慣らし」で走ろうと決めていて、夕方から友達と名古屋に行くはずだった
おそらくSSTがあれば軽く戻せたはずなのだが、手持ちのクランプではキャリパーの形状に合わずプライヤーでも戻せない。フロントみたいにいくつかの工具を使ってもとにかく硬い!
実は僕のうちから歩いて5分くらいの場所に、車・バイク・業者用の特殊工具屋があるのだがどうしようか… 間違いなくSSTも売ってるのだが・・・
チ○チ○ついてんのかよ!
そりゃ3本ついてるけどさ・・
いいなぁ・・
2回程ピストン戻しを試みるもやはり硬い。そこで僕はこんな思いを抱いてしまった。
もう一度ピストンを原点に戻してみよう!
謎の自信に包まれた僕は、運転席に乗り込みEPB解除を一旦取り消そうと操作してみたところ・・
ウィーーーーン
コロンコロンッ・・・
EPBが作動したようだが、「コロンコロンッ」って何よ? 運転席から降り、音がした後ろへ行ってみると・・・
ピストン(円柱形の筒状の金属)が落ちて油が垂れてる・・
通常、EPBが作動するとシャフトの様な軸がグルグル回りピストンを押し出し、油圧でブレーキパットを押し止めていたのだろうが、キャリパーが外されてる事によってピストンが限界まで飛び出し落ち、油も一緒に滴り落ちて(50mlくらい)しまったのだろう。
おそらくEPBも効かなくなってしまうし、リアのブレーキも効かなくなってしまったかもしれない・・
とりあえずEPB内部のシャフトのような軸に円柱形のピストンを取り付け元に戻し、ブレーキを踏んでみてもスカスカで油圧が効かなくなってる。
キャリパー・ホイールを組み戻し、しばし一服(-.-;)y-~
まずはボンネット内部のブレーキオイルの残量を確認してみた。
これはパット交換をする前にオイルを少し抜いた時の写真だが、残量は変わらず問題がなさそうだ。
次にフットブレーキを何度かポンピングさせて油圧を戻してやる事に・・
スカッ… スカッ…
エンジンをかけ前後に動かしブレーキを踏んでみると踏み込み7割くらいはスカスカで3割程で止まれる感じだ。
運転できない事はなさそうだが、公道を普通のスピードで走るには危険運転になりそうだ・・・
その後、ディーラー→保険屋→ディーラー→保険屋と何度か電話連絡を繰り返しレッカーの手配をした。
まとめと反省
車を引き取りにディーラーへ行き、サービス担当の方と話したら、やはり作業中(キャリパー外し中)にEPBをいじった事が原因だったようだ。
「ダメッ! 作業中のEPB操作、絶対ダメ!」
僕も普通ならイジる必要すらなかったのだが、イレギュラーな事態に苦し紛れの行動をした為に、保険屋さんやディーラーさんにも迷惑を掛けてしまった。
こういった曖昧な知識が素人と経験を積んだプロとの違いで、今回の件は本当に反省しいい教訓になったと思う。
もしこれからイヴォークに限らず、EPB装備車のキャリパーを取り付す時に、いつか誰かの参考になれば幸いだと思う。
「ダメッ! 作業中のEPB操作、絶対ダメ!」
かかった費用と時間など
・レッカー代 26500円(保険会社払い)
・ディーラー修理代 75500円
・預け期間13日(代車なし)
今回初めて保険会社のレッカーに依頼したが15万までは無料らしい。(免責なし、次年の保険料にも影響なし)
それと後から再度電話があって・・
それと、今回のディーラー修理の内訳はキャリパーの部品交換だった。20万は覚悟してたからかなり良心的な価格にしてもらった。
ちなみに修理期間中に、たまたまメカニックの知人とこの事について話していたら、「自分なら『注油』で間違いなく修理できてるはずだが、ディーラーなら間違いなく部品交換をするはずだ。なぜなら中途半端に修理して、後で同じ箇所で問題が発生したら二度手間になるし、部品代が稼げるし、何よりそれが一番『楽』だからだ。自分もディーラー勤めなら間違いなくそうする・・・」そんな会話をしていたが、ウソかホントか信じるか信じないかは・・
やっぱアホだ
いろんな方に迷惑をかけてしまったが、何事もなくて良かった良かった。