2019年3月29日
機内,ビール

タイは魅力的な国だ。
訪れる度に違った表情を見せてくれる。

 

急激な高度経済成長を続ける首都クルンテープは、訪れる度に建ち上がる高層ビルにかつての面影が薄れていく。

建物

洗練されていくクルンテープでのショッピング、寺院巡りに格安B級グルメ、ナイトクラブにリゾートアイランド、どれだけあっても時間は足りない。

何度行っても飽きのこない、いや行く度に魅力が増していく。

タイとはそんな国だ。

今回の旅は、まず初日に人と会う約束をしていたので少しフォーマルな服装でタイに入国していた。
スラックスパンツにラフなジャケットを羽織り、2日分の着替えを詰め込まれた少し窮屈そうなスーツケースを引いて空港を後にした。

思えばタイに来る時は、半袖短パンという誰が見ても観光客と分かりやすい服装でしか来た事がないという事を今さらながらに思い出していた。

そういった些細なイレギュラーが積み重なって一つの具体的なミスに繋がっていくというのは、いつも後になってからでしか分析できない。

空港から足早にARTに乗り、ペッチャブリーでMRT(地下鉄)に乗り換えた。

バンコク都内の地下鉄は今では当たり前になりすぎて気にもしなくなったが、いつも清潔で整然としている。

地下鉄

足早に目的地に急ぐ人達はどれもこぎれいな格好をして、スマホかタブレットを片手に持ち、一瞬ここがどこの国なのか分からない錯覚を覚える。

最初に子供の頃に訪れた「のんびりとした国」という印象のタイランドと、今、目の前にあるこの国は本当にあの頃と同じ時間が流れているのだろうか?

少し不安になった。

しかし座席から乗客の様子をぼんやりと眺めながら、僕は少し安心した。

いつも何かに追われ、眠そうで、どこか虚ろな表情という印象しかない日本の地下鉄とは明らかに違っていたからだ。

まだこの国が日本の様になるには早すぎる。

ペッチャブリーでMRTに乗り換えた時点で、目的のサンヤーン駅までは2時間以上余裕があった。

「時間通りだ」

ふと普段、見慣れない人混みの列に目を移すと、簡易的なセキュリティチェックのゲートが設置されていた。

何かあったのだろうか?

「微笑みの国」と呼ばれて久しいタイだが、グローバル化の波は確実にこの国を飲み込んでいる。

経済発展という恩恵とを引き換えに、貧富の差は確実に広がりつつある。
深南部と呼ばれるマレー国境地域では、イスラム過激派の流入も多く、テロも多発している。

ターミナル21やサイアムパラゴンなどの出入り口ではセキュリティチェックを受けた事はあるが、MRTでは初めての経験だった。

現地の人と思われる人々は荷物が少ない為ほぼ素通り状況だが、中国語を話す浅黒い、夫婦と思われる2人組はスーツケースを開けられなにやら物色されている。

面白そうなので遠目に眺める事にした。

空港じゃあるまいし、食品検疫をしてる訳でもないのに、キクラゲの様なものが詰め込まれている透明な袋を取り出して何か説明する女。

中国人は加工食品を持ち歩かないといけない法律でもあるんだろうか?

2人の警備員も一緒に笑っていたが、それは呆れた笑いじゃない。
ニコニコとした優しい笑顔だった。

予測はしていたが僕もスーツケースを開ける事になった。
大した物は入っていない。日本から持ってきたドライヤーと、東南アジアでも使えるそのアダプターを一瞬手に取り丁寧に戻してくれた。

「あ・りが・と・う」「ok!」

果たして日本ではこれ程、気の利いた事が言える警備員なんているんだろうか?

この後の予定を瞬間的に計算した僕は、スーツケースの中からパリ限定というヴィトンの長財布を取り出しズボンの後ろポケットに滑り落とした。

普段のタイに来る服装なら、小ぶりのマジックテープ式の安物の財布だったのに、ここでも一つのイレギュラーが発生していた。

空港を出て16:00の待ち合わせまで余裕があると分かっていた僕は、もう既に遅めのランチをどこの店で食べるのか決めていた。
滞在中は必ず1度は立ち寄りたい店だ。

このランチを美味しく成功させる為に、機内ではビールしか口にしていなかった。

味と香りを想像する度に「ゴクリ」と喉が鳴る。

カラカラに乾いた胃袋にはまず、炭酸が強めのシンハービールを流しこんであげようと決めていた。

味や香りまでリアルに想像ができる分、お預けを食らっている犬よりも辛いのかもしれない。

もしかすると犬は「死」というものが想像できない分、人間よりも幸せに生きているのだろう・・

そんな事を考えながらまた電車を乗り換え、サラディンの駅に着いた。

この辺りは露店やマーケットがひしめき合い人通りが多い。夜はナイトマーケットやストリップショーなどの店が連ねる。

御徒町をひどくした感じだろうか。

駅からマーケットを抜けて目的のソンブーンシーフードレストランは、ここから歩いて10分程で着く。

ランチに40分、マーケットで雑貨でも見て30分。
そこからタクシーを拾って行けば待ち合わせのサムヤーンには余裕をもって着けるだろう。

そんな事を考えながらスーツケースを左手に引き、パッポン通りを歩き始めた時だった・・

「你好!」

この界隈は歓楽街だから1人で歩いてると客引きにも合う。
普段ならそういった女を絶対に相手にしないのだが、相手の服装を瞬間的に凝視した。

白いプリントTシャツに薄手の白パーカー。
片方の手にはスマホを持ち、もう片方の手にはこの辺りの露店ではどこでも買えるマンゴージュースを持ち、その両方を体の前に拝む様に持っている。

サングラス越しからも分かる卵型の顔は色白で、20代前半までしか持つ事が許されない陶器の様な肌をしていた。
デニム素材の短パンからスラリと伸びた白い足は、中国系というより韓国系ガールズユニットを連想する。

ー観光客か?ー

「an・・i’m japanese・・an・・」

「oh!  a・・    」

その瞬間だった!

そのほんのわずか一瞬。
一瞬というものが、1秒の何分割を指すのかは分からないがコンマ1秒にも満たないと感じられる程の一瞬だった。

そのわずか0コンマ、女は僕の顔から少し後方に目線を外した・・

その瞬間に僕は自分の置かれている状況を全て理解した。

ほぼ同時に僕はズボンの後ろポケットに入れてある長財布を押さえ数ミリ重心を落とす

今、一番気をつけなければいけないのは右手で押さえつけてる財布・・

そして僕の後ろにいるであろう男の存在

女の目線が一瞬泳ぎ、同時に目がかすかに見開いた、僕が振り返った瞬間、明らかに右前方に視線を落とした男は、それもやはり右前方に進路を変えた様に見えた

右手の財布、左手のスーツケースの取っ手、膝に力を込める

全てが一瞬の出来事だった。

再度女を振り返る

「o・・ok!・・」

女は必死に口角を上げ笑顔を見せていたが、明らかに動揺からくる不自然な笑顔を連れて、その男とは逆方向に流れて行った。

イタリアのパレルモ辺りであれば、更にもう一段構えのトラップを警戒しなければいけないところだが、ここは微笑みの国タイだ。

日本でさえ長財布をズボンのポケットに入れておくなんて事はないのに・・

イレギュラーの連続は、いつも不幸に隙間を与えてしまう。

周りを見回しつつジャケットの内ポケットにそれを移した。

・・・

・・・   

ゴマ
じゃあ、タイでスリの未遂に遭いそうになったってだけの話だね!

 

はい! 時間があったので小説風味にしてみました〜🙏ナ〜ム〜

 

その後、無事に好物のプーパッポンカリー(蟹と卵のカレー)を頂きました🙏ナ〜ム〜

タイ,カレー

安全と言われてるタイでも、ケツポケットに長財布を入れとくなんて、取ってくれって言ってるようなモンですからね☝

反省です🙏・・・

タイは安全な国なのか??

 

タイ

よく、タイに行った事のない人にこう聞かれることがある。

そういう時、僕は必ず「安全だ」と無意識に答えている。

しかしそれは本当の事でもあり、違うとも言える。

つまり日本と比べたらなのか、世界的に見た旅行先での事なのかだ。

治安が世界トップクラスであろう日本と比べたら、どこの国も安全とは言えないのではないだろうか。

そもそも日本で危険を感じる場所なんてあるんだろうか?

日本の危険な場所??

 

日本屈指の歓楽街、歌舞伎町、いやセンター街を夜中に一人で歩いていたって危険を感じる事はない。

六本木・・
少し路地に入ると外人の多さに引く事はある

 

西成・・・
昔はヤバかったけど、今は・・・今も夜は不気味だ

 

飛田・・・
あそこは危険というより異世界だ

 

 

 

まぁ、日本の歓楽街なんてたかが知れてる。

そして、それはタイも似た様なものだ。

先述したマレー国境の深南部は問題外だが(政府軍と独立派が戦う紛争地帯)

タイの繁華街は夜中に一人歩きをしてても(男)、人通りのある場所なら一度も不安を感じた事はない。

スリやケンカ、突発的な事件などは、東京など世界中の都市でも起こりうる事だから、結局は自分の身は自分で守るという海外旅行で必須のスタンスでいれば、本当にタイは安全な国だと思う。

個人的には東南アジア圏内では一番気が抜ける。

日本人はあまりにも「安全」に慣れすぎてるから意識しないけど、実は「安全」じゃない所で生活するという事は、想像以上にストレスがかかる。

そう言えばフィリピンのマニラでは怖い思いを何度かした事がある。

ゴマ
危ないトコに行くからでしょ!

 

確かに、悪いクセです☝

 

一時期、香港や中国、東南アジアでも「赤ちゃんさらい」が流行ってて、今でも子供だけは絶対に手に届く所に置いておいた方がいいです。

結局は野良犬が一番ヤバいんじゃない?

 

野良犬

タイの治安や安全の事をグダグダ書いていて「ふっ」と思い出した。

前にもこんな事書いてたなぁ・・

前のブログから読んでくれてる方がいるそうなので覚えてるか覚えてないか??

確かタイで犬に襲われた事を、その時も小説風味で書いていた事を今思い出した(-.-;)y-~

まぁ、今回は記憶を辿りに簡潔に書いてみようと思います(`ω´)キリッ

タイ、いや東南アジアでは田舎町に行くと、とにかく野良犬が多い。

大体は彼らは「地域犬」と呼ばれ、野生なのかペットなのかも区別がつきにくいが、それなりに餌を与えられ、それなりに人間に服従してる。
地域犬の特徴はとにかくダラダラしている。しばらく歩いては座り込み、ノロノロしては頭を掻き、何かを見つけては吠え、餌場を中心にウロウロしている。

歴史的に見て彼らは家の番犬としての役割を与えられてきた為、普段見慣れない者であれば、善人だろうと悪人だろうと辺り構わず吠えまくる。

弱い奴ほどよく吠えるというのは、何も犬に限った話しでもなく人間も同じだ。

大抵、そういった種類の者は餌をチラつかせれば尻尾を振って寄ってくる。

ただタイ東北部に位置するスリン県で会った彼らを思い出すと、今でも「恐怖」という感情が湧いてくる。

ワット・サラロイからの帰り道、帰りが薄暗くなってしまったのは完全に僕のミスだった。
足早に駅に向かう途中、ふいに彼らは現れた

民家らしきボロ屋と森に抜ける野原の間から、音も立てず・・

あまりにもスマートに登場した彼らは、ゆっくりとこちらを伺い立ち止まる

野生に近い彼らが昼間はどう過ごしてるかは分からないが、夜になれば確実に凶暴になる

二匹とも大型の猟犬の様な研ぎ澄まされた筋肉を持ち、無駄な肉が一切みあたらなかった

野良犬のくせに黒光りしたツヤのある毛並みに、もう一匹は少し薄汚れてはいるものの、その少し伸びた白い毛並みがポルゾイの様な気品さえ感じられた

ただ僕は今でも、その白い犬の口元が血に染まっていた事を思い出す

小動物をいたぶっていたのか、あるいは・・

二匹ともじっとこちらを見据え、一切吠える事はなかった。

本当に強い者は無駄口を叩かない

全てを見透かすような鋭い目と、陽炎をまとった様な猛者の風格

威圧感と恐怖の中、僕にできる事はただ彼らのプライドを傷つけない様にする事だけだった。

彼らのテリトリーを侵してるのは、間違いなく僕の方だろう。

「バッ・バッバッバッボッ」

ふいにバイクのモーター音が近づいて来た。
本当にヘッドライトの役目をしてるのかと思うほど弱く黄色い左右に蛇行した光が、もうすぐそばまで来ていた。

もう彼らはいなくなっていた。

とても堅気に見えなかった彼らも、本当は人懐っこく、大人しい野良だったのかもしれないが、あの落ち着いて人を真っ直ぐ見据える目は、恐怖以外の何者でもなかった。

犬がオオカミの先祖を持ち、気高い生き物だという事を、日本で暮らしてるとついつい忘れてしまう。

・・・

ゴマ
じゃあ、犬が目の前を通り過ぎたってだけの話しだね☝️

 

はい、とても怖かったです!

 

結局、タイって安全なの?

 

何だかよく分からないまま書き進めちゃいましたが、こんな支離滅裂な文章も「日記あるある」という事なんでしょう☝

タイは料理も美味しいし、人も暖かいし、見所も多いし、安全だし、色々安いし、本当に大好きな国の一つです。

・・・がっ!

でも、それでもやっぱりスリ、詐欺まがいの事もやっぱり多いと思いので気をつけましょう☝

そして田舎町の野良ちゃんにも要注意です☝

ゴマ
タイは狂犬病もあるしね!

 

もし襲ってきた場合、蹴りだけでは間違いなく追い払う事は難しいと思います。

生き残る事が最優先なので接近戦になった場合、まず相手の目を潰す事を第一に考えましょう。

その際、利き手の人差し指と中指は伸ばした状態で潰しにかかると、こちらも骨折のリスクがある為、少しボールを握ってる様な感じで一気に!

 

ゴマ
武井壮かっ!

 

・・・

 

続けます。

タイ国内であれば狂犬病のワクチンが存在してるので、噛まれても安心です。
牙に腕を差し出す様な形で誘い出し、噛まれた瞬間にこめかみを何度も拳で・・

 

ゴマ
百獣の王かっ!

 

なんて事にならない様、タイ田舎町の夜間は野良ちゃんに気をつけましょうね(。・ω・。)

微笑みの国「タイ」でスリ被害に遭った話

投稿ナビゲーション


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。