2023年3月3日

 

さて… 前回は「意識の本質とは何か」を「量子脳理論」より読み解いていきましたが、思いのほか長くなってしまい眠くなってしまいました。

 

 

だってねむかったんだもん

 

だもんだもん

 

ゴマ
・・・

 

 

ゴマ
・・・

 

可愛いのかよ!

 

ま、ま…  可愛いかどうかはさておき、本日は前回の続き(後編)として、サイエンスが迫る「死後の世界」を早速始めたいと思います。

 

 

量子による「状態の重ね合わせ」

 

小さい球

まず前回、波動関数の収縮が私達人間の意識や感情の本質ではないのか。
また、それらの現象が最新科学で実証され始めているというところまで話しましたが、なぜそれが「死後の世界」に繋がっていくのかは、非常に難解な部分になっていきます。

なぜなら「死後の世界」などの概念は、これまでは神話や宗教などで語られる事が多く、普通の科学者ならまず触れる事のない分野です。 しかしペンローズは量子脳理論の中で「死後の世界」についてだけではなく「魂は実在している」という主張さえしてるのです。

このような…、さすがに飛躍しすぎではないかと思えるその主張の根拠は一体どこにあるのか。その現象もまた「状態の重ね合わせ」と同じく、量子の不可思議な挙動により導かれた仮説だったのです。

 

量子もつれ-Entanglement-

 

量子もつれ

最近になり、量子コンピュータが話題に上る事が多くなってきましたので、同時に「量子もつれ」の言葉や意味もご存知の方が多いと思いますが、この現象もまた我々の一般常識では理解しがたい不思議な性質を持っています。

量子もつれを最短で説明すると「対になった二つの粒子が空間的に離れているのにも関わらず強い相関を示す現象」となります。

少し分かりにくいかと思いますので、更に分かりにくくする為に前回同様、私がマイクロスケールの量子になったと仮定して、その性質を表現してみたいと思います。

dog

ではまず私という「チラ見粒子」を、ある手法で二つに分け、その二つの片割れをそれぞれ「天の川銀河」の端と端にある観測所AとBに飛ばすとします。

 

その距離なんと10万光年!

 

量子もつれ

この二つの片割れ「チラ見粒子」は、どんなに遠く離れても「うちら元々一つだったよね!」という情報がそれぞれの片割れからなくなる事なく、それらはいつまでも同じ状態を共有します。

この2つの「チラ見粒子」の状態の共有は、コインの表と裏のように人間の観測によって、仮にA地点の観測所で右向きの私が観測された瞬間に、もう一つの私が左向きの状態で瞬時に確定されるのです。

 

量子もつれ

しかも2つの片割れの「チラ見粒子」は、10万光年だろうと100億光年であろうとその距離を超え、瞬時に情報の共有が起こるのです(非局所的に作用)

天の川銀河の直径は約10万光年、光速をもってしても10万年の時間を要する距離なのに、なぜ量子は我々の物理法則を超えた瞬時の共有が可能なのか。 なぜこの世界を形造る物質の基本要素である量子はこんなにも常識はずれなのか。

 

ゴマ
どうせ仮説でしょ?

 

この光速を超えた状態の共有が、まだ実証されていなかった100年前の当時、アインシュタインは量子力学の考え方や量子もつれという現象に強く反対していました。

 

Einstein
人間が観測するかどうかに関わらず物の状態は客観的な存在として決まっている。人間の観測によって量子の状態が変わる事や「量子もつれ」における2つの片割れが見えない糸で繋がったような状態の瞬時の共有はあり得ない

 

つまり、「状態の重ね合わせ」や「量子もつれ」などの不思議な現象が起きているのは、量子力学という理論自体に欠陥があるとアインシュタインは主張していました。しかしそこから100年間の研究を経た今、アインシュタインが間違っている事が証明されたのです。

2022年のノーベル物理学賞は「量子もつれ」という現象が存在している事の証明に大きく貢献した3名の研究者に授与されました。

ノーベル物理学賞,2022

つまり、人間の観測行為は「重ね合わせ状態」の量子を確定した状態に収縮でき、「量子もつれ」という不思議な現象は、単なる迷信ではなく確かに自然界に組み込まれた要素だったのです。

そして、量子のこの特徴的な二つの挙動から導かれた仮説が、ペンローズ博士の「量子脳理論」に繋がっていくのです。

では前編の繰り返しになりますが、ペンローズ博士の「意識とはなんなのか?」という仮説を30年前に書かれた〝The Emperr’s new Mind〟より抜粋してみます。

 

人間の意識とは・・

 

量子もつれ

 

意識とはニューロンを単位として生じるのではなく、微小管(マイクロチューブ)と呼ばれる量子プロセスが起こりやすい構造から生じる。 微小管とは全ての細胞が持つ、タンパク質からなる直径25ナノメートルの管状の構造をした細胞骨格であり、脳内の神経細胞にある微小管は、波動関数が収縮すると、意識の元となる基本的で単純な未知の属性も同時に組み合わさり生物の高レベルの意識が生起する

 

もう少し分かりやすく言うと、人間の脳の中には量子もつれ状態にある電子が大量に存在していて、これらの電子が「収縮」→「量子もつれの状態に戻る」→「収縮」→「量子もつれの状態に戻る」というサイクルを繰り返す事により一つの具体的な思考、もしくは感情が起き、つまりはそれが私達の「意識」だというのです。

更にペンローズ博士は「量子もつれ(Entanglement)」を起こしてる我々の意識についてこんな主張を持っています。

 

肉体を失った意識の行方

 

Penrose
肉体は死んでも量子状態にある「意識(魂)」は、肉体を離れて存在し続ける。その意識は宇宙のしかるべき次元にある意識体と量子もつれ状態にあり、意識は別の次元で存在し続ける

 

That’s all

 

この理論によれば、世界中で報告されている「臨死体験」などの現象も説明がつくと言います。

それは、私達がこの3次元空間で生存している間は、脳中に収まった「量子=意識」は波動関数の収縮により自己意識(私)を持ち、別次元に存在する意識体と「量子もつれ」の状態にある。

しかし人が亡くなり、肉体を失った「意識」は五感を感知する事ができず、それにより波動関数の収縮も起きなくなり自己意識は薄れていくものの、高次元に存在する意識体とは常に「量子もつれ」状態にある為、消滅する事はない。

確かにそう考えれば古くから言われていた、亡くなった人が「夢枕に立つ」という現象や「臨死体験」などの現象も、科学的に説明がつくのではないだろうか。

 

量子もつれ

例えば、上記したように「量子もつれ」は重力・空間・時間にもとらわれない性質を持っている為、死の淵にたった人の意識が、ある感情(悲しみ・後悔・未練など)で昂ぶっているまさにその瞬間に肉体から解放された時、自己意識が薄くなる前にしかるべき人の元へ瞬時に現れ、想いを伝える(確定した状態)というような現象も、我々の常識では考えられないかもしれないが、量子の世界(意識の世界)では可能ないのかもしれない。

 

死後の世界とは・・

 

つまり「死後の世界」とは特定の神話や宗教が指す〝天国や地獄〟などの観念ではなく、我々の意識とEntanglement状態にある別次元の意識体そのものを指し、肉体から離れた意識はそのあるべき存在を目指し旅を続け、その大きなサイクルの中で循環していくのかもしれない。

 

 

輪廻

 

科学的理論を追求した先にまた、仏教が提唱しているような「輪廻」のような概念に戻ってしまうというのは実に不思議でなりません。

 

〝追求すればするほど最初に戻ってしまう〟というような事が以前にもあったのだが思い出す事ができない。

 

おそらく人類がこのまま「量子」という存在を研究し続け、近い将来その本質が理解できた時「この宇宙の正体…」  または「私達の存在理由」という究極の答えにたどり着ける気もするし、ウロボロスのように・・

 

 

そこが終わりでもあり始まりでもある

 

 

結局はそんなものなのかもしれない。

 

【解明】科学は「意識の世界・死後の世界」にどこまで迫れるのか(後編)

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